こんにちは!いつもご覧くださり感謝しております!
サクセスキャリアエアラインの菊地です。
新型コロナウイルスで大打撃を受け続けている航空業界。
今後国際線の復活は4年後ではないかとIATAが発表する中で、悲しくも事実上破綻した航空会社が何社あるかご存知ですか?
既に冒頭のイラストでも記載していますが、事実上破綻した航空会社は「7社」あるんです。
そこにはナショナルフラッグであろうが、LCCであろうが関係なく、破綻の背景には日頃からの「組織のあり方」「経営のあり方」が会社の存続に大きな影響を及ぼしていたことが分かりました。
動画解説:2020年に破綻した航空会社
このブログの内容は下記の動画でも解説しています!

※2020年8月12日までのデータになります。
事実上破綻した航空会社の一覧

今回のデータを集めた時に、気づいたことが2つありました
- ナショナルフラッグキャリアや大手の破綻が多いこと
- 破綻の裏に「組織のあり方」が大きく関係していたこと
ここでは世界中の航空会社の中で事実上破綻した会社を通して、私たちが今できることを考えます。
1社目:ヴァージンオーストラリア

4月20日 任意管理手続きの適用申請を決め、経営破綻(動画では21日とお伝えしましたが、正しくは20日です)。
カンタス航空に次ぐオーストラリアでは二番目の規模を誇り、12ヵ国56都市をつなぐ航空会社。
3月にほとんどの便を欠航し、また以前から50億豪ドル(約3400億円)の負債を抱えていた。
2社目:アビアンカ航空
5月10日 米連邦破産裁判所に破産法第11条(チャプター11)を申請し、これにより破綻。
1919年に設立したコロンビアの航空会社。
26ヵ国75都市をつなぎ、1日700便もの飛行機を運航。スターアライアンスに加盟をし2013年11月には、ニューヨーク証券取引所に上場していた会社だった。
新型コロナウイルスの影響で3月から定期旅客便の運航を停止したことで売上高が激減したことが響いた。
3社目:タイ国際航空
5月19日 破産法に基づく会社更生手続きをし、これにより事実上経営破綻となった。
1959年8月に設立し、日本には成田を始めとし7つの空港に乗り入れ、週80往復運航していたタイのナショナルフラッグキャリア。
LCCの影響からもともと業績不振が続き、今回の新型コロナウイルスの影響により全便運休をしたことが破綻につながった。
4社目:ラタム航空
5月27日 米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請し、事実上破綻した。
2012年6月チリの「LAN航空」とブラジルの「TAM航空」の合併により南米最大のエアライングループとして誕生したチリの航空会社。
2016年9月にはアメリカ大陸初のA320neoを導入するほどの会社であったが、今回の新型コロナウイルスにより破綻に追い込まれた。
5社目:ノックスクート
6月27日 取締役会で清算が決議され、事業を終了。
タイのLCCノックエアとシンガポール航空系LCCスクートの出資により、2014年設立。
【ノックエア破綻】日本の大手JALANAの従業員解雇はあり得るか考える
6社目:アエロメヒコ
6月30日 米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請し、破綻。
メキシコのナショナルフラッグキャリアとして1988年に誕生。スカイチームに加盟し、日本には2006年に就航。
毎日610便、80都市以上を運行していたが、新型コロナウイルスの影響で中南米の旅客需要が急減したことが大きな痛手となって破綻に追い込まれた。
7社目:ヴァージンアトランティック
8月4日 米連邦破産法15条(日本の民事再生法に当たる)任意管理手続きに入り、経営破綻となった。
ヴァージン・ブランドの経営破綻はこれで2社目。
1984年6月に運航を開始し、30都市をつないでいたが、4月から全て運休となり3500人の人員削減をしてきたが、食い止めることができずに事実上破綻。
大手だからと過信せず、今の環境に感謝する

以前も扱いましたが世界の航空会社では本当に想像できない規模でのリストラがされています。
- エア・カナダCAを5000人一時解雇予定
- アイスランド航空はCAを全員解雇予定
- アメリカン航空2万5000人を解雇予定
- ユナイテッド航空社員3万6000人を解雇予定
- セブ・パシフィック航空800人解雇
- カタール航空800名のパイロットを解雇
- エミレーツ航空6500名のCAが解雇
- イースター航空750人を解雇
- ニエアカナダCAを5000名解雇
- エアーアジアCA111名解雇
※一部情報が古いものもあります。
そして今回の破綻した会社の中にも、皆さんご存知の航空会社の名前もあったかと思います。まさかあの会社が、と思った方もいらっしゃるのではありませんか?
私はタイ航空が破綻した時にとてもビックリしました。
ナショナルフラッグキャリアだったタイ航空がなぜ破綻したのか、その真相を知りたく色々調べていると、現場の人にしか知り得ないタイ航空の経営に関する考え方の脆さが浮き彫りになってきました。(動画で解説 11:40 )
それは昔のJALのようで、「組織の脆さはトップ層の考えにあり」と痛感しました。
でも、私たちはついつい就職活動・転職活動の中で「大手だから大丈夫」という理由で会社を選んでしまいがちです。
でもそれは盲信であり、本当の意味での会社選びではありません。
路線数?仕事内容?福利厚生?
自分の大切な人生を決めているのはいつも自分の選択だからこそ、自分にとって何が大事なのかをしっかり把握した上で、会社選びをして欲しいなと思います。
それに今はどの会社で働いていたとしても、いつ会社が倒産するか分からない時代なので、どこにても安心はできませんが、今改めて自分のことをクビにせず、会社に置いてもらえることに感謝をして、今の会社に貢献する働きをしていきましょう。
そしてその働き方が、今の会社から重宝される人材として認められたり、そこでの取り組みや姿勢から生まれた実績が会社にどれほどの貢献度を示せるかの数値として、いつかの転職の際にも活かせるエピソードになります。
航空会社の採用再開が数年ごと言われる中で、今何をしたら良いのかと歯痒い気持ちでいらしゃる方も多いと思いますが、今の与えられた環境で最善を尽くすことが未来の自分を助けることになると思います。
私たちにできることは、与えられた環境の中で精一杯会社に貢献すること。
それが遠回りのようで、実は将来CA/GSになる上での最短の道だと確信しています。